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丁寧に、知恵を絞って

 

 

先人たちの姿勢をどう生かすか

人が丁寧につくったものには人の心に届く力があります。
 
青森にあった宿泊施設で大正生まれの主宰者によって心を込めて作られたおむすびを口にした方は心が解れて涙を流されたそうです。鎌倉の大正生まれの料理研究家の方も食べ物のそうした力を信じて手間を惜しまず調理される食材の気持ちを考えてお料理なさっていたとききます。
人が心を込めてつくったものは人の体を通して心に届くーだから食べ物は大切なのです。体の栄養になるからだけではなく、心の滋養にもなるからなのです。
それは、食べ物に限ったことではありません。
日々を過ごす上でも同じことだと思います。
では、心を込めるためにはどうすればいいのでしょうか。
 
手間がかかる事柄を目の前にして怯んでも手間に挑んで、手間を惜しまず、手間を当たり前のこととして、それを触れる人や受け取る人の気持ちを想像して、扱っているモノの気持ちさえも考えて、諦めずにできる限りの方法を探して試す・・・・
 
日本の文化が素晴らしいのは、沢山の先人たちが大切にしてきた生きる姿勢のお陰なのだと思います。
先人たちの舞の味わいに近づくためには、そういったところに真摯に向き合うことが必要なのではないかと考えています。
 
そうした姿勢は意識に作用して、見えない力となって波動となって伝播するものですが、なんとなく感じるような微細なものなので自分の意識を整えていないと感じ取ることができません。先人たちが意識を整えて感じていたことをなぞるー私たちにとってそれを体現する手段が舞なのです。
 
 
わかりやすい言葉ではまとめられないようなことを大切に拾い上げながら日々の生活や舞に向き合っていく・・・そうすることで、ほんの少しでも先人たちの心のありように近づきたいと思っています。
 
 
 

舞公演

ワークショップ

文化交流活動

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舞公演

当然のことですが、出演者は純粋に実力のみにて選定され、出演者が最高のパフォーマンスを提供できるようにチケットノルマや参加費の負担はございません。
また、もともと座敷で舞われていたものですので、当会ではできるかぎり劇場ではなく座敷で舞うことにこだわっています。防音照明設備のない小さな空間での公演ですので難しい部分もございますが、その分味わえる雑味は計り知れません。皆様のご理解をお願い申し上げます。
 

ワークショップ

日本では昔から体の操り方として「筋肉」よりも「骨」をいかに扱うかを重視してきました。そのためでしょうか、高齢でも素晴らしいパフォーマンスをなさる方がたくさんおられます。 私共のワークショップでは、舞の基本的な動き方を通して、骨盤を立てること、蹴らずに土踏まずで歩くこと、肩甲骨を下げること、そして表面の力を抜くことなど、武道や日常の動きにも通じる体に備わった機能を生かすということを体感して頂きます。
そのほか、実際に舞を見て頂いて舞の表現についての説明(表情を変えない意味、視線や振付に関すること等)や舞そのものの体験(一曲または一部を舞ってみる等)、歴史に関する事柄(踊りと舞について、地唄演奏家との呼吸について等)、着物風俗に関する事柄(日本髪について、着物着付け体験、裾を引いた着物体験等)などさまざまな角度から文化を掘り下げる視点を大切にしながら行って おります。
 
 
 
 

 

 
 

 
 

文化交流

山と海が近く坂が多いこの国では、他の島国に比べて遥かにたくさんの植物が自生しており、それらの落ち葉がつくるフカフカの滑りやすい地面の上をずっとずっと歩いてきました。そういった土地柄ですから、歩き方ひとつ、感性も、考え方も、そして人や自然との距離感も、何万年という歳月のなかで築かれてきたものがあります。
雨の名前は400語以上、風は2000語以上あるといわれ、私達の祖先はその細かい違いを聞き分け、嗅ぎ分け、使い分けてきました。
交流を通してお伝えできることは限られますが、私達が本質に近いと考えるところをお伝えできるように、そして他の文化に触れることでお互いの違いを楽しんでヒントにし合えるようにしてまいりたいと考えています。